仕事を辞めれず病気が悪化した社員。
仕事をしないといけない。出勤しないといけない。
そんな強迫観念から、仕事を休まず、仕事から離れることもせず、ボロボロになるまで仕事をする社員たち。
もともと、持病の糖尿病があった社員だったが、そんなに重度ではなく、食事の制限もなく、薬だけ服用していたらしい。
普段の食生活も質素に、飲酒もせず、ごくごく普通の日常を送っていたらしいが、仕事が繁忙期の最中、その社員は立つことも、歩くこともできなくなった。
病気が悪化する前、今思えば予兆はあったように思う。
仕事のミスも増えていて、食欲もなく、今までのような元気もなかった。
たわいもない雑談中に「体重5キロ落ちたんだよねー」と話ししていたこともあった。
なぜ、あの時に止めてあげなかったんだろうと、仕事を休むように説得すればよかったと、後悔が残っている。
「もう無理だ」ってサインが出ているのに、今まで通りに働かせてきた会社の体制にも問題があったように思う。
彼は、一日四回のインシュリンを打たないといけなくなった。
なぜ、ここまで悪くなるまで働き続けたのか。
生活費を稼がないといけないからだ。
理由はそれだけだろう。
優しく、真面目で、一生懸命働いてる社員の心の声を聞いたことあるだろうか?
本当は「もう無理なんです」って言いたいのに言えずに働き続け、自分の責務を果たそうと、自分が辛くて苦しい時でも、回りのことを考えて、穴をあけれず、心身ともに疲弊していく。
異変を感じた社員の「大丈夫!」っていう言葉は大丈夫じゃないことも多い。
日常生活もできないぐらい、心身が壊れてしまう社員たち。
我慢とか、人に合わすとか、無理してでも頑張るとか、日本人特有の美徳としているもの。
体が壊れてしまったら、美徳なんて悠長なこと言ってられない。
どうか、「もう大丈夫じゃないんだ」って、心が悲鳴をあげたら、ためらわずに仕事を休んでほしい。
頑張る貴方を、誰も責めたりはしないから、勇気を出して「もうダメです」って声をあげてほしい。
自分の体を、心を第一優先して、自分を大切にしていただきたい。